最新の学術情報

トップページ > 最新の学術情報 > その他 > 下垂体後葉系腫瘍(グリオーマ)の診断と治療

下垂体後葉系腫瘍(グリオーマ)の診断と治療

虎の門病院 西岡 宏

Low-Grade Glioma of the Neurohypophysis: Clinical Characteristics and Surgical Outcomes.
Nagata Y, Inoshita N, Fukuhara N, Yamaguchi-Okada M, Nishioka H, Yamada S.
World Neurosurg. 2018 Jun;114:e1225-e1231.

神経下垂体部に発生する低悪性度グリオーマ(LGG)は、下垂体後葉または神経下垂体から生じるまれな腫瘍である。神経下垂体部LGG 8例の臨床所見をまとめた。
7例に視野障害、7例に下垂体前葉機能低下症が認められたが、尿崩症のある患者はいなかった。MRIでは、3人の患者で腫瘍前方に正常下垂体を認め(figure 左)、6人の患者で腫瘍内の血管構造を認めた(figure右)。下垂体偶発腫の診療ではこれらとの鑑別を十分に留意すべきである。